ミリ波センサー
当社のセンサーは 60GHz 帯のミリ波レーダーを用いたクラウド型バイタル(生体信号)測定器です。
バイタル情報としては呼吸数及び心拍数や睡眠情報などを非接触で測定します。測定したデータをクラウドサーバ等に送るため外部との通信機能(ゲートウェイ)を内蔵しています。Wi-FiやLAN通信に対応していますので簡単にネットの構築が可能になっています。
また、内部に併せて搭載したサーモセンサーよって非接触での温度測定も行うことができます。
卓上や壁などに設置するミリ波センサー画像
開発背景
内閣府の調べでは日本の総人口が減少する中で65歳以上の方が増加することによる高齢化率は上昇を続け、2036年には33.3%で3人に1人が高齢者になると予想されています。また65歳以上の一人暮らしの方は男女ともに増加傾向にあり、2015年には男性約192万人、女性約400万人とるなど核家族化も進み、独居生活者の増加に伴い自身の病気予防や健康増進への意識が高まっていることや、離れて暮らしている家族の不安も大きくなってきています。一方、医療、介護や保育の現場でも高齢者の健康を支える人材が不足するなど深刻化の一途を辿っています。そうした社会背景からも、少数の管理者で複数人の健康状態を常時管理する情報システムも社会に求められるようになってきており、この数年はさらに新型コロナウイルス感染症の問題から非接触型での健康管理システムも求められてきています。最近では若い方を中心にスマートウオッチなどで健康状態を計測するデバイスの普及も進んできてはいるものの、多く高齢者に常用してもらうにはハードルが高い状況です。
当社では乗用車の安全装備などにも使われ、動体検知に優れるミリ波レーダーのセンサーを住居や施設などに設置することで、被検者にストレスなく普段通りに生活していただきいながらも、非接触且つ遠隔で自動的に心拍数・呼吸数・睡眠の質を24時間計測・管理・監視(=見守り)することを実現するために開発しました。
特徴
1.非接触
ミリ波は天井や壁、卓上など対象者に測定器具を意識させずに非接触での測定可能です。また、木材や布など(金属、水以外)の素材は透過するので、金属製でなければ椅子の裏やベッドの下などにも設置可能です。
2.小型サイズ
サイズは、ポストカードほどのコンパクトな大きさです。
室内のどの位置に設置しても、60~64Ghzのミリ波レーダーで対象者の心拍数や呼吸数、睡眠の質などを24時間計測することが可能です。
3.高感度
センサーの高感度化により対象者の様々な動きを問題なく計測することができます。対象者に装着する器具などは不要で、普段のまま行動することができ、健康への悪影響も全くありません。電波の届く範囲内であれば部屋を移動している時でもしっかり計測できます。
4.遠隔監視
センサー内にはCPUが内蔵され、計測したデータを暗号化してクラウドに送信、トラッキングも可能なので遠隔での監視が可能になります。複数のセンサーをネットワークでつなげれば、建物1棟を管理することも可能です。
センサーを用いたモニタリング画面(イメージ)
想定する利用者
導入先としては、個人や医療機関、警備会社などを想定しています。個人利用では、健康を不安に感じる本人はもとより、離れて暮らす家族が親族の健康管理に使用することも可能です。また病院などの医療現場では入院患者の管理・監視、介護施設では入寮者の健康管理、保育施設では園児の動向監視などにも適しています。また警備会社が導入することで、警備サービスのメニューとして利用者の健康管理という付加価値提供にもお役立ていただけるものと考えています。
現在までに当センサーは約300世帯の独居生活をされている方を対象にした実証実験も実施しています。
製品紹介
他機器とのデータ連携
専用のゲートウェイアプリケーションを利用することにより上記システムに血圧と SPO2のデータを連携することも可能になりますので様々な角度から生体情報を管理することも可能です。
対応機器
・SPO2計 PLS-01BT https://www.nurse-angie.jp/products/PLS-01BT.html
・血圧計 UA-651BLE https://www.aandd.co.jp/products/medical/hhc/hhc-humerus/ua651ble-plus/
アプリケーション概要
以下のように BPO2 Linkをゲートウェイとしてデータを中継し、システムに血圧と SPO2データを保存します。
なお、このアプリは医療用ではなく研究用または参考用の為の使用を目的としています。
BPO2 Linkマニュアルダウンロードは こちら
今後について
当社ではミリ波センサーを個人・医療・介護等の現場へ積極的に導入してゆくとともに、様々なメーカーのデバイスとの連携を行えるようにするとともに、イメージングレーダーの開発を進め、3Dアプリ開発と応用、新項目開発を充実してさらに便利なセンサーとして発展させてまいります。